一日一言:ほんの少しでいいから

お願い、ほんの少しでいいの。こっちを見て。

鬼刻 P209 志郎と夜道を歩いているとき、優貴が心の中で願ったこと。



 そこでタイミングよく志郎君が振り向くわけですヨ「どうかしたの」ってきゃあ☆スウィートすぎて恥ずかすぃ(笑)さらに志郎の優しい言葉に涙ぐむとゆー昼ドラのような展開ですが、「なんて贅沢なことを考えてるんだろう、私」という言葉で締めています。

 優貴にしてみればこんな甘いシチュエーションすら贅沢になる、つまり縁遠いものだったのだってこと。自分を認めてほしいと望むことにも罪悪感を感じるというのは、冒頭の事件が普通の女の子の感性を奪っていった悲惨さの裏返し。「鬼刻」の根底にあるのは普通の感性の話、常識人の話だと思う。志郎、優貴(マーサ)、砂川の成長や変化をじっくりと長尺で読んでいきたい話ですネ。ヘタすると安易にめでたしめでたしで終わりかねないのが怖い。

 ところで今頃気づいたんですが、裏表紙のあらすじに「女性作家二人のラブ&アクション!」て書いてるのに気づいた。奇をてらってわざとコテコテな言い回しを使うこともあるけど、このセンスは合格なのだろうか。びっくり鼻水出ちゃった(笑)
 
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